先日、宇都宮に行ったら駅前にこんな標語が掲げてありました。

 

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「もったいない」って、そんなに良い言葉ですか?

 

ノーベル平和賞を受賞した、ケニア人のワンガリ・マータイさんが賞賛した、日本の「もったいない」。外国から褒められるのが大好きな日本人はそれを大変ありがたがり、「日本のもったいないは世界に誇るべき素晴らしい美徳だ」とばかり、もったいないを金科玉条のようにありがたがってますが、私は個人的に、もったいないという言葉はあまり好きではありません。もちろん、地球環境に負担をかけないという考えはとても大切だし、共感します。ただ、もったいないからヨレヨレの服を着てて自分の印象を下げたり、もったいないから古いPCを使い続けて仕事の能率が悪かったりというのは、本末転倒だと思います。

 

 

 

お金で買えるあらゆるものは、別にもったいないとは思いません。そんな事を言うと「お前は社長だからだ」と言われるかも知れませんが、実は、私にはあんまりお金がありません。なぜならウチの会社は、一般的なベンチャー企業と違って、大手企業等の出資を受けたり、ベンチャーキャピタルからの資金調達を一切しておらず、資本施策は、自己資金と金融機関からの融資だけでまかなわなければならないからです。

 

自力で新規事業に投資しなければならないので、贅沢している余裕はありません。私は車も高級時計も持ってませんし、ゴルフもしません。会食はほぼ全てだり半(客単価4,500円)ですし、ベンチャー社長が大好きな、六本木や西麻布の会員制バーも一切いきません。

 

 

 

貯金は美徳ではない

 

しかし必要なときにはお金を惜しみなく使います。いま、私の出費のかなりの部分は交際費と旅費、つまり色んな場所でいろんな人に会うためのお金です。台湾のほか、世界じゅうどこでも、会いたい人がいたら会いに行きます。

 

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↑会いたくて震えたら、世界中どこにでも飛んで行きます(写真は北京)

 

 

そこで得られる情報は、本やネットとは比較にならないくらい新鮮かつリアルです。

 

私は、人生において貯金というものをした事がありません。社会人一年目のとき、先輩から「”20代で貯めるバカ、30代で貯めぬバカ”という言葉がある。20代のうちは貯金なんか考えずにガンガン使え」と言われましたが、30代になった今でも、お金なんかあるだけ使っちまえばいいと思っています。

 

 

 

昔、小学校時代に、毎月一度、農協とか郵便局の人が学校に来て、親から持たされた千円だか一万円だかをその人に渡して貯金するという謎のルーティンがありました。学校と郵便局・農協が結託して、小学校の頃から貯金の習慣を植え付けようという名目だったのでしょうが、貯金というのはよっぽどお金が余って余ってしょうがない人が最後にするものであって、使う用途がある限り大いに使うべきだと、今になっては思います。通帳の中のお金はお金でしかない、言わば死に金であって、使われてこそ初めて生き金になると言えます。

 

お世話になった人を食事に招待したり、自分の学習費用にあてたり、知らない国に旅行したり、そういった出費こそ生き金であって、お金を正しく使えば、お金は必ずもっと大きくなって、手元に返って来ます。

 

 

消費は美徳

 

旅行に誘うと「お金がないから、行けない」という友人がいます。私は内心「逆に、旅行に行かないからお金がないんだ」と思っています。哲学者アウグスティヌスは「世界とは一冊の本であり、旅に出ない者はずっと同じページばかり読んでいるのだ。」と言いました。すごく良い言葉だと思います。毎日同じような日々を送っている人に、大きな価値を生み出す事はできない、だから価値の対価であるお金が入って来ないのです。「貧ずれば鈍ずる」という言葉がありますが、逆に「鈍ずれば貧ずる」という風にも言えます。

 

 

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クリエイティブな仕事をする上で、旅は最高の刺激を与えてくれます(写真は海からのぞむ桜島)

 

 

 

借金も美徳

 

私は大学に行くのに、500万円以上のお金を奨学金として借りました。最近、奨学金の”返済地獄”が一部で問題視されていますが、私は、融資をしてくれた日本学生支援機構(育英会?)には感謝しかありません。借金のおかげで日々アルバイトに追われる事もなく、大学時代の貴重な時間を、思う存分勉強と遊びに充てる事ができました。

 

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↑借金のおかげで、かったるいバイトとかほとんどせずに済みました。

 

 

結果として卒業後に「日本一給料の良い会社」と言われるテレビ局に入社でき、そこでガツン!と返済しました。あの借金がなかったら、青春時代をアルバイトに捧げてしまい、結果として意中の会社にも入れなかったはずです。

 

 

 

時間だけは、もったいない!

 

「お金で買えない価値がある。買えるものはマスターカードで」というイケてるコピーがありますが、世の中大抵のものはお金で手に入ります。でも時間はお金で買えません。世の主婦には、他店より100円安い野菜を買うために、隣町のスーパーまで、往復1時間も自転車を漕いで行く方がいるそうです。その人の1時間の価値は100円…缶ジュース1本にもならないなんて、悲しすぎます。

 

私は、時間が惜しいので躊躇なくタクシーに乗りますし、会社を駅から徒歩10秒の好立地に置くのも、自分や社員の時間がもったいないからです。また、ウチの会社では仕出し弁当の半額補助を行なっているのですが、それも毎朝お弁当を作って来る社員に、弁当を作る時間を自己研鑽に当ててくれるなら会社が補助します、という目的からです。「時間をお金で買う」というのは、とても大切な事だと思います。

 

お金ではなく信頼を貯める

 

会社にお金がなくなったら、その会社は潰れます。でも、本当の意味で会社が潰れるのは、会社のお金がゼロになった時ではなく、会社の信頼がゼロになった時です。たとえ会社のお金がゼロになっても、その会社に信頼があるなら、金融機関は融資してくれますし、投資家も出資してくれます。また取引先もその会社に任せてみたいと思ってくれます。その信頼がゼロになった時こそ、会社が本当の意味で死ぬ時です。

 

だからこそ、信頼を貯めるために、お金をどんどん有効活用していかなければなりません。この会社だったら長期的に成長できる、或いは滞りなく返済できると思ってもらうために、色んな場所で色んな物事に触れ、情報をアップデートして、人的ネットワークを広げていかなければならず、それには絶対にお金が必要になります。また、大切なお客様をたまに会食にご案内し、感謝の気持ちを伝えることも、信頼を得る上でとても大切です。

 

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↑お世話になっている皆様の信頼を勝ち取るための、だり半感謝の宴(右はだりを仕切る若き店長・渡辺さん)

 

 

 

お金は目的ではなく手段

 

 

三流は金を残す、二流は事業を残す、一流は人を残すと言います。金なんて貯めたところで、人間死んだら灰になるだけ、貯金通帳を眺めてニヤニヤするより、お金で自分に投資をして、周りの人を幸せにして、人生を豊かに過ごしたいものです。

プロフィール

代表取締役社長
吉田皓一
奈良県出身。慶應義塾大学経済学部卒業後、朝日放送入社。テレビ営業部で3年勤務したのち退職し、ジーリーメディアグループ創業。東京・台湾・香港を往復しつつ、細々と事業を展開しております。趣味は酒と飯です。車・ゴルフ・時計等一切興味なし、ただひたすらに美酒と美食を求めて日本全国を巡っています。

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