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先日の日経新聞にこんな記事がありました。

ANA、医療滞在を支援 まず中国人向け、人間ドック+航空券

確かに、近年中国では、訪日しての人間ドック+日本観光、いわゆるメディカルツーリズムの需要は大きいようです。

では、同じ中華圏である台湾市場にもそのニーズはあるのでしょうか?結論から申しますと、全く無いとは言えませんが、中国に比べて限りなく小さいと言えます。理由は明確で、台湾の医療水準が十分に高いからです。台湾には、設備の整った医療施設がすでに多くあります。ぼくの友達の在日台湾人や弊社東京本社の台湾人社員も、病院に行く必要があれば、皆帰国して通院しています。

また、1995年から強制加入の国民皆保険制度として「全民健康保険」(略称:健保(ジエンバオ))が導入されており、極めて安価に医療サービスを享受する事ができます。各種検査が無料または極めて安価で受けられ、治療費等も日本より断然安く、なおかつ中華伝統の漢方治療や針灸治療、いわゆる「中医」も保険適用で受診できます。以前、台湾で働く日本人の友達が、台湾で盲腸の手術をしたのですが、あまりの治療費の安さに驚いていました。(そのぶん雇用する側の企業の負担は、小さくありません….)いっぽうで日本同様、近年は無駄な医療費の増大や医療費の不正受給などの問題が顕在化しています。

このように台湾ではユニバーサルヘルスケアが進んでいるため、日本に来て人間ドックを受診したいと言うニーズはあまり無いと思われます。上記のニュースを当社の台湾人スタッフ数人に見せてみましたが、リアクションは総じて「微妙…」でした。

この点でも、台湾と中国は同一視できないと言えます。

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プロフィール

代表取締役
吉田皓一
奈良県出身。防衛大学校を経て慶應義塾大学経済学部卒業後、朝日放送入社。総合ビジネス局にてテレビ CM の企画・セールスを担当したのち退職。
2012 年㈱ジーリーメディアグループ創業。台湾人香港人に特化した日本観光情報サイト「樂吃購(ラーチーゴー)!日本」を運営する。HSK漢語水平考試6級(最高級)及び中国語検定準1級所持。台湾にてテレビ番組やCM出演、雑誌コラムの執筆、台湾でチャンネル登録18万人のYouTube「吉田社長JapanTV」運営なども行う。日本酒輸出、台灣交通部(国交省)Taiwan Pass Project顧問。
2018年より北海道FM northwave「メイリー!台湾」メインパーソナリティとして台湾の魅力を発信中。