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誰しもたまに見る定番の悪夢があるといいますが、私の場合は防衛大時代の夢です。辞めたはずなのに、また翌年受け直して入学し、2年生になった同期にシバかれるという、謎の設定の夢です。

私は2001年の4月に防衛大に入校し、その年の10月に中退しています。約半年あまりしかいなかったわけですが、あの半年間はいま振り返ってもめちゃくちゃ勉強になったと思います。勉強と言っても、毎日朝から晩までアイロンをかけまくり、報告書(と言う名の反省文)を書きまくり、掃除や作業などに忙殺されていたので、座学の勉強をする時間はほぼ皆無だったわけですが(笑)←防衛大のアンサイクロペディアは、意外とネタではなくガチです。

 

なぜ防衛大に入ったか

小学生の時、阪神大震災で父の実家である神戸が被災しました。被災地で懸命に救助活動に中自衛官を目の当たりにし、これは男子が一生を賭するに値する職業だと思いました。また、防衛大を出たら制服のキャリア組として、どんどん出世できるというのも、憧れを感じました。

 

防大に入るまで

 

防衛大の試験は1次の筆記試験と2次の面接&身体検査に分かれています。1次試験の実施時期は一般大学より2〜3ヶ月早く、11月くらいに行われます。1次の筆記試験でだいぶ落とされるので、2次試験の時には受験者も少なくなっています。

ここまで来ると、自衛隊のリクルート部隊である自衛隊地方連絡部、通称チレン(or チレンジャー)が全面サポートしてくれます。チレンにとっては、防衛大に学生を送り込むことはなかなかの査定アップになるらしく、だからなのか何なのか、チレンのおっちゃんは本当に親身になってお世話をしてくれました。受験生の不安を取り除くべく「入隊してもテレビくらいはちゃんと観れるよ〜」「部屋は8人部屋だけど、プライバシーはちゃんと守られているよ〜」「体罰なんかもう無いよ〜」など、アドバイスをくれました(←入校したのち、これらが全て偽りである事を知ることになります…w)

 

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↑親身になって相談に乗ってくれる人さらいチレンジャー

 

2次試験の面接は、陸海空それぞれの一佐(大佐)がずらっと3人並んでいて、受験生はひとりずつ面接されました。ただでさえ緊張しているのに、控え室で若手の隊員が「一佐とか、俺たちにとっては雲上人だよ。超エラい人だよ!」など、やたら言うもんだから、面接ではガチガチに緊張しました。何を聞かれたかはもうほとんど覚えてないですが、海自の一佐から「RIMPAC(環太平洋合同演習)の将来についてどう考える?」と聞かれて、元気よく「ハイ!分かりません!」と答えたのだけは覚えています。

 

さて、2次試験は11月下旬なのですが、最終の合否発表は翌年の2月とだいぶ先です。理由は、その2ヶ月の間に、親族に過激な思想の者がいないか、重犯罪者はいないかなどの身辺調査を行う、という話でした。なので私は防大受験の後も受験勉強は継続し、一応早慶あたりは受けていました。慶応と防衛大の合格通知がほぼ同時に届いたのを覚えています。防大入校後、担当の小隊指導教官(大尉クラス)から、他大学の合否状況をヒアリングされた際「お、そういや慶応も身辺調査するよねぇ?」。するわけがありません(笑)

 

防衛大に入ったら

 

4月1日が「着校日」、そして5日が「入校式」。この入校式が終わるまでの5日間は、「お客様期間」と言われ、先輩の皆様もとても優しく、フレンドリーです。この間に制服を採寸したり、身の回りの物品を購入したり、入校式の準備をしたりします。また、僕を含め「シャバ」の無造作ヘアの奴は、全員学校内の床屋に移送され、角刈りにされます。「坊主は囚人のようで良くない」という方針らしく、全員が角刈りにされる(まだ坊主の方が良かった…)ので、入校式には量産型の角刈りアタマがズラッと並び、それはそれは壮観です。

 

ただ、この着校から入校までの5日間のあいだにも、集団生活が決定的に合わないヤツ、2年生が4年生にシバかれまくっているのを見てしまったヤツ、お客様期間なのに上級生にナメた態度を取ってシバかれたヤツなどが、ゴッソリ辞めて行きます。防衛大学校学生の身分は、国家公務員特別職。給料もいただけるれっきとした公務員です。なのでいったん入校式で宣誓をしてしまえば、そう簡単には辞められません。公務員として所定の手続きを踏まないと、職務放棄として懲戒処分となります(実際、脱柵(=脱走)すると懲戒対象になります)

 

ただ、入校前はいつでも辞められるので、アタマだけ角刈りにされ、制服から私服に着替えた新入生が続々と校門を出ていくのを、私はキヲツケとか回れ右の訓練をしながら眺めていました。内心、シャバに戻れてちょっと羨ましいとも思いました笑 しかし彼らはまた、浪人生として受験勉強に勤しまなければならず、それはそれで大変なはずです…。

 

さて、入学式には例年、防衛庁(当時)副長官や世界中の国々の駐在武官が列席し、盛大に行われます。親もきてくれて、束の間の楽しい時間を過ごしました。

 

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↑入校式を終えたそれがし。

 

そして懇親会の終了とともに、地獄は始まりました….

 

つづく

 

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プロフィール

代表取締役社長
吉田皓一
奈良県出身。慶應義塾大学経済学部卒業後、朝日放送入社。テレビ営業部で3年勤務したのち退職し、ジーリーメディアグループ創業。東京・台湾・香港を往復しつつ、細々と事業を展開しております。趣味は酒と飯です。車・ゴルフ・時計等一切興味なし、ただひたすらに美酒と美食を求めて日本全国を巡っています。

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