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い・き・な・り・ですが!©️楽天カードマン

昨今、漫画「キングダム」が大流行りです。僕も全巻買って読んでます。一回読み出すと止まらないあの没入感!物語の持っていき方とか言い回しとか、上手いなー、計算されてるなー、と感服しながら拝読しています。

 

ただ、あの漫画を読んで「ビジネスの教科書」とか言う風潮は、どうかとおもいます。

 

「キングダム」が“ビジネスの教科書”として人気のワケスクリーンショット 2019-10-14 5.55.53

 

↑これとか

 

キングダム』を読むと出世に役立つ?予測不能な現代のビジネスパーソンに必須

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↑これとか

 

いや、やばいでしょwww

 

エッセンスは分かります。昔から「ドラえもんで学ぶビジネス発想」とか、「起業したいなら”こち亀”の両さんに学べ!」みたいのはありました。しかしながら昨今メディアでの「ビジネスの教科書」とか「ビジネスパーソンに必須」は流石に盛りすぎです。

 

三国志(演義)ですら、かなり架空のストーリーなのに、キングダムのような”大将軍の矛一振りで、雑兵10人同時に首チョンパ”みたいな完全ファンタジー漫画をみて、良い大人が「ビジネスに必須!」とか真顔で言ってるのをみると、「いやいやいやwww」と思ってしまいます。(そもそも実際の戦争で、大将が最前線でて刀振り回すなんて、まずあり得ません)

 

漫画「キングダム」は、主人公・信をはじめとする、武将たちの「ルァアア!」「バハァア!」みたいな、華々しい戦闘シーンがほぼ9割ですが、実際のところ、戦の勝敗のほぼ9割は戦う前に決まっています。それは言うまでもなく、内政と軍備と外交です。荒れた土地を開墾し、田畑を耕して石高を上げ、交易を通じて商業を振興し、その金と米があって初めて、軍備を整えることができる。そして糧秣や軍馬をどのように戦場へ送り届けるかと言う輜重(ロジスティクス)と街道の整備も不可欠、その他、周辺の有力土豪を調略して味方につける、敵の中に内応者をつくる等等、地味〜〜な作業が99%で、結局はそれが戦の勝敗を決します。

 

のちに始皇帝となる嬴政も、漫画では「中華統一だ!」とか「人の持つ本質は、光だ」何とか、超かっこいい事ばっか言ってますが、「ウソつけよw」と。実際日常的に頭の中は間違いなくゼニとコメの事、つまり「ガッツリ徴兵したから今月収支キビシイなぁ〜」とか「うわまたイナゴの大群かよ稲食われるよ〜(泣」とかだったに違いありません。そうなると、戦で「ルァアア!」する猛将より、干ばつや洪水を未然に防いで1石でも多く米の生産量を上げてくれる能吏の方が、君主にとっては大事なわけです(実際のところ中国では伝統的に、「ルアアア!」する武官より「かしこ」の文官の方が社会的地位は上です)。

 

てなわけで、武将が戦場を駆ける様はとても勇壮ですが、上述の通り大将軍の矛一振りで雑兵10人首チョンパ!はあくまでフィクション・ファンタジーであり、良い歳こいたサラリーマンが、居酒屋でキングダム談義に花を咲かせ、

 

俺は”本能型”だからなぁ!」とか

 

いやいや”知略型”っすよ!」とか

 

チームが”覚醒”しないとな!」とか

 

 

言ってるのは、聞いててもう「イテテテテ〜….」と、勝手ながら、いたたまれない気持ちになります。

 

もう一度言いますが、戦においてもっとも大事なのは「コココココ」でも「ファルファル」でも、或いは「擦り潰せィ!」でもなく、徹頭徹尾、事前の準備、つまり都市開発・税収・軍備・兵站です。そしてもっと大事なのは「如何に戦わずして勝つか?」です。

 

キングダム読んでフンコー(“興奮”って言うんですか?)しているビジネスパーソンの皆さま、あれは漫画なので純粋にエンタメとして楽しんでいただき、騙されたと思ってこれをやり込んでください。

 

 

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私がオススメする最強のビジネス教科書「信長の野望」です。

 

 

何やゲームかい!とあなどるなかれ。私は、会社経営に必要な要素は、全て信長の野望に教えてもらいました

 

 

このゲームは、開墾→商業→軍拡→戦争の繰り返しであり、戦闘は数多あるイベントの一部分でしかありません(何ならスキップできます)。その基本フローの中で、限られた金と米を最大限有効に使って、有能な武将を登用し、家宝の贈答や婚姻で隣国と外交し、朝廷から官位を受けて権威を上げ、国を大きくしていきます。

 

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↑華々しい戦とは無縁の地道な作業。しかし都市がどんどん発展していくのは大きな醍醐味!

 

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↑外交を駆使し、戦わずして勝つ!!!

 

武将には戦が得意な者もいれば、内政が得意な者、外交が得意な者などさまざまです。武将ごとに適所を与え、才能を発揮してもらわなければなりません。

 

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↑スター軍団・織田家を選択してプレイしたら、各パラメータが80以上とかの超有能武将だらけで、内政も軍事も超はかどります。秀吉に至っては政治力MAXの100!! 逆に弱小大名でプレイすると、どのパラメータも20-30程度の無能ばっかりで、何をするにも四苦八苦します。秀吉が1ヶ月で終える内政業務も、ボンクラ無能武将だと半年以上かかったりします。有能人材採用の大切さを教えてくれます。

 

そしてもっと難しいのは、スキルフィットしてるポジションを与えたところで、本人のモチベーションはまた話が別、という事です。

 

信長の野望では、武将それぞれに理想・主義などの個性が設定されており、「天下泰平の世を実現したい!」という高い理想を持った武将もいれば「理想より金だ!」という者、「いや金より名誉が欲しい!」或いは「安全最優先!」という者もいます。例えばどれだけ統率力や武力が高くても、本人が安全志向な場合、戦に参加させるたびに忠誠心が下がるのです。

 

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↑この武将は「中道」主義なので、急に革新的な政策を採ると、忠誠心が下がってしまいます。

 

これは実際の企業でも本当に悩ましい問題です。「君は外交的だから、営業な!」「あなたは細やかで責任感が強いから、経理!」とかスキルフィットで配属を決めてると、高いパフォーマンスを発揮していた社員が或る日突然辞める、ってのは人事あるあるです(泣)

 

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↑素でエグい!大名だろうが社長だろうが、一番メンタルやられる瞬間です(泣)

 

しかも出奔して浪人になるどころか、容赦無く敵方に付いてこっちに刃を向けるという、戦国の無慈悲さよw  

 

ちなみに話はそれますが、現代日本でよく知られる、忠義心に溢れた所謂「武士道」ってのは、江戸時代以降にできたものです。江戸幕府がもう2度と乱世が起こらないように、儒教を元にした「朱子学」を幕府公認の学問にして、君主への忠孝を徹底しました。逆にそれまで、応仁の乱以来100年以上戦争状態が続いている世紀末・戦国時代においては、基本みんなヒャッハーしてるので、裏切りも寝返りも主君殺しもチャメシゴト、すなわち日常茶飯事でした。斎藤道三、毛利元就、宇喜多直家、津軽為信….etc、みんな主君を裏切ってます。そう思うと、いわゆる「日本人」って、中世→近世→近代→現代と、時代とともにキャラを変えて来たんだなw と感じます。現代の日本人からしたら、1年じゅう朝から晩まで、生まれてから死ぬまでずっと戦争してる中世の日本人は、戦闘民族サイヤ人にしか見えません。

 

 

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↑「ミスター寝返り」こと松永弾正大先生。主君・三好家を裏切り、将軍を殺し、奈良の大仏を焼き、織田信長に恭順したのに裏切って、怒った信長に攻められて降伏し、奇跡的に赦されたのにまた裏切った、とんでもない先生。最期は織田軍に包囲され、信長が喉から手が出るほど欲しがっていた「平蜘蛛の茶釜」を首に巻きつけ、火薬で自爆。おらが地元、奈良が生んだ数少ない名のある戦国武将にして、日本史上初めて、火薬で爆死した人。

 

また、どんなに上手くいってても急に台風・地震・疫病・飢饉などの天災は起こります。

 

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外部リスクへの備えは、企業経営においても非常に重要な事です。

 

 

ここまで読んで、「信長の野望」をプレイしたくなったあなた!どのシリーズを買えばいいか、迷いますよね?そこで私のオススメを紹介します!

 

私は高校時代に初めて「信長の野望」に出逢いました。そして幸か不幸か、最初に出会った信長の野望が、シリーズ最高傑作の呼び名も高い「信長の野望 天翔記」であったことから、私の高校時代は完全に狂わされました。

 

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↑やり出したら止まらない麻薬ゲーム。

 

受験勉強が全く手につかず、毎夜毎晩狂ったようにゲームをやりこみ続けました。最終的に「このままでは、俺はこのゲームのせいで人生が狂わされる……!!!」と思うに至り、頭を掻きむしった挙句に、ゲームのディスクをバッキバキに割りました(笑) しかし大学合格通知が届くと早くも再度購入し、サルのようにプレイし、いまもなお、PSP goでやり続けています(天翔記のやり込み要素(ex. 弱小大名プレイ、鉄砲得意な本願寺勢力で火力MAXの状態で籠城等)についてはまた改めて書きたいと思います)

 

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↑2009年に”UMDドライブ無し(=ディスク入れる口ない)のダウンロード専用機”という画期的コンセプトで登場したPSP go。コンセプト自体は大正解でしたが、時代が追いついてこれず、敢えなく後継機出ず生産中止。いまではSCE(Sony Computer Entertainment)の黒歴史(?)

 

てなわけで、キングダムも良いですが、本当にビジネスに役立つのは、コーエーの歴史シミュレーションゲームです。今回は「信長の野望」を取り上げましたが、他にも様々な名作があるので、折に触れて紹介したいと思います。

 

最後に、私の大好きな言葉とともに、筆を置かせていただきます。

 

国家社会にとっての重要な問題の正否を論じる際の判断の原理は、全て歴史の中にある。(ヘーゲル)

 

家康!!!!

 

 

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プロフィール

代表取締役社長
吉田皓一
奈良県出身。慶應義塾大学経済学部卒業後、朝日放送入社。テレビ営業部で3年勤務したのち退職し、ジーリーメディアグループ創業。東京・台湾・香港を往復しつつ、細々と事業を展開しております。趣味は酒と飯です。車・ゴルフ・時計等一切興味なし、ただひたすらに美酒と美食を求めて日本全国を巡っています。

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