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現金が嫌いです。別にお金が嫌いというわけではなく(お金は当然大好きです)、いわゆる紙幣・硬貨という意味での現金が大嫌いです。

釣り銭が邪魔くさいし、失くしたら再発行できないし、残り少なくなったら銀行やコンビニで手数料を払っておろさなければなりません。何にも良いことがありません。できるなら生活の全てを、クレジットカードとデビットカードで済ませたいところです。ひるがえってカードは、百利あって一害なし、釣り銭ジャラジャラから解放され、失くしたら再発行され、手数料を払うどころかむしろポイントが貯まります。私は生活にかかる経費については、可能な限り極力クレジットカード決済にしているので、そのポイントをマイルに替えて、海外旅行に行ったり出張時のシートをアップグレードしたりしてます。自分のライフスタイルに合ったカードを決めてそれに決済をかためると、本当にポイントやマイルがたくさん貯まります。

にもかかわらず、日本のクレジットカード利用率は激低です。この記事によると利用率はわずか12%、諸外国と比べても圧倒的低さです。実際、コンビニや駅のキオスクで会計レジに並んでいると、現金で支払う人が依然として多いことが見て取れます。長蛇の列ができているのに小銭を出そうとモタモタ(で結局小銭足りず紙幣でまたお釣り出す手間が…)してる方の多いこと。Suicaで支払えば良いし、チャージが面倒ならオートチャージ、もしくはスマホでチャージすれば良いだけなのですが…。

あるいは例えばタクシー降車時にお金を払うとき。Suicaで払おうとするとNG、SuicaがダメならiDとか他の電子マネーもだいたいダメです。じゃあクレジットカードで、と言うとクレジットカードもこれまた非対応、しぶしぶ紙幣で払おうとするとあいにく1万円札しかなく、「すみません」と一応(1mmも悪いと思っていないですが)詫びながら出すと、すごくイヤな顔で

「コンビニでくずしてきてくれる?」

もう良い加減IC端末付けてくださいと、それがイヤなら千円札しこたま持って営業してくださいと、言いませんけども内心思っています。

しかしながら、そんな事に腹を立てたり、目くじらを立てたりするつもりは全くありません。なぜならカード利用率が12%ということは9割近くの人が「現金信仰」の信者であるわけで、現金撲滅主義の私は圧倒的マイノリティーだからです。イノベーター理論(下図)でよく言われることですが、どんなに便利だから、効率的・合理的だからと言ってそれが速やか且つ幅広く受け入れられるわけではありません。例えばこれだけ携帯電話の格安SIMが普及したにもかかわらず、いまだにドコモやソフトバンクなどの大手キャリアに毎月高いお金を払って、キャリアの養分になっている人が圧倒的に多いのも事実です。MVNOがまだキャズム(溝)を越えてないという証左かもしれません。

 

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画像出典:http://ict.minna.company/

 

↑マーケティングでよく言われる、アーリーアダプターとアーリーマジョリティーのあいだには溝があるという話。

 

先日はあちゅうさんの以下のようなツイートが軽く炎上しました。

 

「電通の先輩が、『CMは偏差値40の人にも理解できるものじゃなきゃダメ。この会社にいる時点で普通ではないと自覚しろ。世間にはおそるべき量のおそるべきバカがいる。そしてそれが日本の「普通の人」だ』って言ってたの、一番役に立ってる教えの一つだ」

まぁ偏差値40とかバカとかっていう言い方は大変良くないですが、電通はじめ日本の一流企業で働いている人々が、自分たちの「これくらい知ってて当然だろ」っていう目線で広告をつくるのは良くないよねっていうのはよく理解できます。

それは大衆をバカにしているのでもなんでもなく、日本の”中央値”を正確に測らないとダメだよって事です。

よくテレビはバカ番組ばかりと言われますが、高学歴なテレビ局員の人たちがなぜ”バカ番組”ばかり作るのかと言うと、そういう番組を観たい人が日本のマジョリティだからです。

或いは数年前に博報堂が「マイルドヤンキー」すなわち「地元から出たくない、車(特にミニバン)が好き、ショッピングモールが好き」といった、大都市圏以外の若者消費者層を表現した言葉が流行りましたが、あれこそが日本のマジョリティです。

最近ベンチャーのピッチイベントに行く機会がよくあるのですが、そこで紹介されるのはITを駆使した、とても斬新なアイディアばかりです。ただその斬新なサービスを受け入れる消費者がどれだけいるのかなというのは、いつも疑問に思うところです。上の文脈で言いますと、キャズムを越えられるのかなと、ちゃんと利用者の中央値を把握してるのかなと思います。もちろんそういう尖ったサービスをDisってる訳では一切ありません。私自身、エッジの利いた商品・サービスは大好きです。ただあまりにトンガリすぎてて、ビジネスとして回るのかな、とも思う訳です(大きなお世話でしかないのですが)

我々のターゲット市場は主に台湾・香港ですが、消費者の分布を正しく把握したいものです。また、あまり技術志向(Technology Oriented)にとらわれず、利用者志向(User Oriented)でありたいものです。

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プロフィール

代表取締役社長
吉田皓一
奈良県出身。慶應義塾大学経済学部卒業後、朝日放送入社。テレビ営業部で3年勤務したのち退職し、ジーリーメディアグループ創業。東京・台湾・香港を往復しつつ、細々と事業を展開しております。趣味は酒と飯です。車・ゴルフ・時計等一切興味なし、ただひたすらに美酒と美食を求めて日本全国を巡っています。

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